外の寒さが厳しくなると、足早に家路につきたくなるものです。
「やっぱり家の中が一番安全で安心する」…多くの方がそう感じていると思います。
しかし専門家として、皆様に知っておいていただきたい「家の中の事実」があります。
1. 交通事故の6倍以上…家の中で起きている不慮の事故死

「まさか、交通事故よりも家の中のほうが危険だなんて」と驚かれるかもしれません。
実は、2024年のデータによると、交通事故による死者数が2,663人であるのに対し、
家庭内の不慮の事故による死者数は17,320人にものぼります 。

交通事故の6倍以上の方が、安全であるべき家の中で命を落とされています。そして、
原因の45%を占めるのが「溺死・溺水」で、浴室での事故で7,194人の方が亡くなっています 。
この悲しい事故の背景に深く関わっているのが、暖かいリビングから冷え切った脱衣所、
そして熱いお風呂へと移動する際に起きる、急激な温度変化(ヒートショック)です。
2. 「温暖な地域」だからこそ見落としがちな寒暖差

「うちは北海道や東北のような雪国じゃないから大丈夫」と思っていませんか?
全国の冬季死亡増加率(17.5%)と比較すると、厳しい寒さの北海道は増加率10%と低く、
一方で埼玉県は19%と、全国平均を上回る高い数値が出ています 。
寒冷地では、「家全体を暖かくする(断熱する)」対策が、多くの住まいに浸透しています。
しかし、比較的温暖な地域では「冬の短い期間だけ暖房をつけて我慢すればいい」と、
住まいの防寒対策がおろそかになりがちです。その結果、家の中に極端な温度差が生まれ、
知らず知らずのうちに心臓や血管にダメージを与えてしまっているのです。
3. 日本の住宅の約9割は、今の基準から見ると「寒すぎる」
なぜ、家の中にこれほどの温度差ができてしまうのでしょうか。

2018年時点の資料となりますが、日本の住宅ストック(約5,000万戸)のうち、現行の
断熱基準(等級4)を満たす住まいは11%しかありません 。さらに全体の2/3は「無断熱」
あるいは断熱材があっても隙間が多く、保温効果の機能していない「低断熱」状態です 。
長年大切に住み継いできた愛着のある住まいが、命の危険を抱えた状態であること、
健康的な室内の温度環境にないこと。この事実は改善すべきことではないでしょうか。
4. 部屋を暖かく保つことが、毎日の「予防薬」になる
住まいの断熱性能を高め、家の中で温度差をなくすことは、単に「光熱費が下がる」
「快適になる」というだけでなく、ご家族の健康を守る大きなメリットがあります。

例えば居室や脱衣所が18℃未満の寒冷な家では、冷えた身体を無理に温めようと、
42℃以上の「熱め入浴」をする(事故リスクがある)危険性が約1.7倍に高まります 。
脱衣所まで暖かく保つことで、身体に優しい自然な入浴習慣へと繋がります。
床付近の室温が約16℃以上の住宅では、喘息のお子様の割合が半分になるという調査
結果があります 。また、18℃未満の寒い居間では、暖かい居間に比べて心電図や
コレステロール値の異常所見が多くなることも報告されています 。
寝室が暖かく乾燥していない環境では、睡眠の質が向上します 。
さらに「寒くて動きたくない」という時間が減ることで、家の中での活動時間が
1日最大約50分増加する可能性も示されています 。
5. まずは、「住まいの健康診断」から
私たちが健康のために定期検診を受けるように、ご家族の命を預かる住まいにも
現状を知るためのチェックが必要です。弊事務所では、建築の専門家が客観的な
視点で住まいをチェックする「住まいの健康診断」を行っています。
3時間程度の中で、断熱・耐震・劣化調査をセットとして、総合的に行います 。
後日、調査報告書のご説明に再訪します。(料金等の詳細は、お問い合わせ下さい)

「この家にこのまま住み続けるか」「リフォームか建て替えか」「あるいは売却か」…
家の状態を正しく把握することは、未来の暮らしを選択する際の確かな判断材料です。
*新築の場合:【断熱性能】ページ … タルシルは断熱等級6以上がルール
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ご家族が毎日を過ごし、帰ってくる家だからこそ、心から安心できて健康を育める
温かい空間であってほしいもの… 住まいの寒さや暑さ、家の状態や暮らしについて
少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
taruShiru株式会社 一級建築士事務所